やったー。23分38秒。久々、堂々の、23分台だ。自己対記録。
お盆休み中の8/13(水)の朝8時半、いつもより早めに自宅を出て、いつものように走り出した。環七を超え淡島通りを走り出すと、車が極端に少ないことに気付いた。そうだ、お盆休みなんだ、との思いが浮かび、これは高タイムが出せるかも、との思いで、モチベーションが一気に上がった。記録更新の世界新とばかりに飛ばしてしまったのだ。一人のツールド・フランスで堂々の一着を獲得した気分。これで、22分台の新記録も夢じゃない。
ユニクロの2本2,900円の半ズボンに、色あせしたGAPのガラシャツ。頭には黒のサイクリング・キャップの上に、使い込んだ貫禄付きつつある赤いカスクのヘルメット。うまい具合にハゲを隠してくれるので、傍目には59才のオッさんには見えない、だろう。バス停に停車するために速度を落としたバスを右側から追い越してゆく。後ろの車に右手でその旨を合図しようとも思ったが、後ろに車はいない。自転車を軽く右に左に傾けながら、滑るようにバスを追い越す。追い越せば、前方に車はなく、さーどうぞ状態。チェーン・リングは50歯の大きい方に既にセット済み。右手で後輪側のギアを一つ、二つと上げてゆく。
前方には下り坂が待っている。ギアがトップに入って、軽々とスピードが上がってゆく。多分、既に時速50キロは超えている。坂の下の信号機を見れば、青だ。交差点の真ん中に右折車が留まって、私の通り過ぎるのを待っている。そのままのスピードで信号を通過し、緩い右カーブ。左側に交番があって信号がある。ここも青だ、超えると登り坂に入る。登り切るちょっと手前にもう一つ信号が待っている。ギアを一つ一つ落としながら登坂してゆく。見れば信号が赤から青に変わった。正にラッキー、である。
少々スピードは落ちたとは言え、坂を登り切ると平坦な道が続く。おー調子いいじゃん。なんだオイ、又バスか、2台もいるネー。バス停を出たばかりで重そうに加速中だ。こんなことしちゃいけないのは判るが、対向車線は空っぽだし、ノロノロ走るバス二台の後ろにはつきたくないので、少々踏み込みの回転を上げて追い越しに掛かる。難なく二台を追い越してしまった。今朝の淡島通りは正に私の自転車通勤のオリンピック道路。すね毛の汚い私の足も、妙に元気に日焼けしてます。
スピードが乗ってくる。不穏な笛の音が耳元をかすめ始める。もっと踏み込めば、もっと出る。時速60キロは、多分、超えている。ハンドルから感じる安定感は加速する毎に増し、スピードへの誘惑を増幅させる。チェーン・リングはアウター側の高速用、後輪のスプロケット・カセットは小さなトップに入っている。ケイデンス(ペダリングの回転数)をもっと上げることは可能だ。誘惑はどんどん大きくなる。未知の速度をくぐり抜けると、間違いなく新たな世界が広がる。どんな世界なのか。ケイデンスを上げに掛かる。上体をより一層屈め弾丸が坂道を落ちてゆく。こんなこと、やってはいけません。中年のオッさんにはオッさんなりの走りがあるんですから。
0 件のコメント:
コメントを投稿